下川町森林組合事務所
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

下川町に建つ森林組合事務所の建替えである。下川町の林業のシンボルであるとともに、長く使い続けられる、飽きのこない木の建築が求められた。そこで、可変性がある方形のプラン、地元集成材工場の製造能力を考慮した構造計画、町内施工力を活かしやすい在来木造工法と北方型住宅基準、隣接施設とあわせた壁面線や素材・色彩計画、維持管理を考慮した汎用製品を採用した。また、ZEB readyを取得、将来的には木質バイオマスによる地域熱供給網(森林環境未来都市下川町の取組)への接続が可能な計画とした。これらの要素は、シンプルな「木箱」と、それを包むグリッドフレームに支えられた外周部の「深い軒」の組み合わせにより実現している。この深い軒は外壁保護・日射遮蔽に有効であり、雑多になりがちな設備機器を隠し、陰影のある立面を作り出している。積雪寒冷地の小規模木造事務所のモデルとなることを期待している。